時事・コラム

産後クライシスなんて怖くない

育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏による月イチ連載コラム。今回のテーマは、産後クライシス。

教科書にも書かれている産後クライシス

今、私は、心理カウンセリングの家族療法の講座に通っている。家族の誰かがうつ病を発症したり、ひきこもりになったり、何らかの心理的問題を抱えているとき、その人だけの問題とはとらえずに、家族の問題がその人を通じて表れていると、家族療法的アプローチではとらえる。

家族の心理学を学ぶ前提に、「ファミリーサイクル」というのがある。独立した男女が出会い、結婚し、家族を作り上げていくのには、時系列に沿ってある程度のパターンがある。そして子供の誕生は、ファミリーサイクルの中でも特に大きなマイルストーンである。当然生活が変わる。夫婦の関係が変わる。

そのときに起こりやすいのが「産後クライシス」である。産後クライシスという言葉こそ近年の造語であるが、出産直後に夫婦の危機が訪れ、最も離婚率が高まることは、洋の東西を問わず、昔から知られている現象である。何も今の日本社会に特異な病ではない。それこそ家族療法の教科書にも書かれているくらいである。

安定期を飛び出して夫婦は成長する

子供ができると子育て中心の生活になる。その中で、意識して夫婦の関係を維持するようにしないと、夫婦の間に葛藤が生じやすくなる。お互いに不満をためることになる。夫は父親に変身するのではない。夫という立場に、父親という役割が加わるのだ。妻は母親に変身するのではない。妻という立場に、母親という役割が加わるのだ。夫と妻という立場を全うするのを忘れたら、夫婦関係が希薄になって当たり前。クライシスが訪れて当たり前。

大切なのは産後クライシスについて知ること。それを悪いこと、避けるべきことだと思わずに、夫婦で力を合わせて立ち向かおうと思うこと。お互いに「相手が悪い」と非難するのではなく、「家族の中に共通の問題がある。力を合わせて解決せねば」と思うこと。

産後クライシスに限らず、夫婦をやっていれば何度も危機に直面する。夫婦は安定期と不安定期をくり返して成長する。不安定な時期は、夫婦関係が成長する時期なのだ。そうするうちに、ちょっとやそっとの危機では動じない夫婦になる。いつまでも安定期のコンフォートゾーンにとどまっていると成長できない。いつまでも新婚夫婦みたいな夫婦というのが一番危ない。

夫婦の間に葛藤が生じている時、「なんだよアイツ」とか「なによあの人」みたいな不穏な気持ちがふつふつと湧いている時、「そろそろ新しいステージを目指して成長する時期なのかな」なんて前向きにとらえてみるといい。

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